日本語
Surah As-Saaffat ( Those Ranges in Ranks ) - Aya count 182
وَالصَّافَّاتِ صَفًّا
( 1 ) 整然と列をなす者たちにおいて。
فَالزَّاجِرَاتِ زَجْرًا
( 2 ) 駆り立て追う者において。
فَالتَّالِيَاتِ ذِكْرًا
( 3 ) また訓戒(のグルアーン)を読み聞かせる者において,誓う。
إِنَّ إِلَٰهَكُمْ لَوَاحِدٌ
( 4 ) 本当にあなたがたの神は,唯一の主である。
رَّبُّ السَّمَاوَاتِ وَالْأَرْضِ وَمَا بَيْنَهُمَا وَرَبُّ الْمَشَارِقِ
( 5 ) 天と地,そしてその間にある凡てのものの主,また日の出を司どる主である。
إِنَّا زَيَّنَّا السَّمَاءَ الدُّنْيَا بِزِينَةٍ الْكَوَاكِبِ
( 6 ) 本当にわれは,星々で下層の天を飾り,
وَحِفْظًا مِّن كُلِّ شَيْطَانٍ مَّارِدٍ
( 7 ) (アッラーの命令に)逆らう悪魔にたいする守りとした。
لَّا يَسَّمَّعُونَ إِلَى الْمَلَإِ الْأَعْلَىٰ وَيُقْذَفُونَ مِن كُلِّ جَانِبٍ
( 8 ) かれらは八方から撃たれ,最高の会議を盗み聞くことは出来ない。
دُحُورًا ۖ وَلَهُمْ عَذَابٌ وَاصِبٌ
( 9 ) 撃退されて,かれらは永久の懲罰を受ける。
إِلَّا مَنْ خَطِفَ الْخَطْفَةَ فَأَتْبَعَهُ شِهَابٌ ثَاقِبٌ
( 10 ) 盗聴し得た者があっても,白熱の炎が追跡する。
فَاسْتَفْتِهِمْ أَهُمْ أَشَدُّ خَلْقًا أَم مَّنْ خَلَقْنَا ۚ إِنَّا خَلَقْنَاهُم مِّن طِينٍ لَّازِبٍ
( 11 ) かれら(マッカの多神教徒)に問え。「かれらとわれの創った者(天使)のどちらが強く創られているか。」われはもともと,粘りのある泥でかれらを創ったのである。
بَلْ عَجِبْتَ وَيَسْخَرُونَ
( 12 ) あなたは感嘆しているというのに,かれらは嘲笑する。
وَإِذَا ذُكِّرُوا لَا يَذْكُرُونَ
( 13 ) 警告されても,かれらは警告を受け入れない。
وَإِذَا رَأَوْا آيَةً يَسْتَسْخِرُونَ
( 14 ) またかれらは,印を見ても嘲笑するばかり。
وَقَالُوا إِنْ هَٰذَا إِلَّا سِحْرٌ مُّبِينٌ
( 15 ) そしてかれらは言う。「これは明らかに魔術にちがいありません。
أَإِذَا مِتْنَا وَكُنَّا تُرَابًا وَعِظَامًا أَإِنَّا لَمَبْعُوثُونَ
( 16 ) わたしたちが死んで土と骨になってから,(また)呼び起こされましようか。
أَوَآبَاؤُنَا الْأَوَّلُونَ
( 17 ) 遠い祖先たちも(一緒にですか)と言う。
قُلْ نَعَمْ وَأَنتُمْ دَاخِرُونَ
( 18 ) 言ってやるがいい。「その通り。あなたがたは卑しめられるのである。」
فَإِنَّمَا هِيَ زَجْرَةٌ وَاحِدَةٌ فَإِذَا هُمْ يَنظُرُونَ
( 19 ) それは只一声の叫びである。その時かれらは(恐ろしい光景を)目の当たりに見て,
وَقَالُوا يَا وَيْلَنَا هَٰذَا يَوْمُ الدِّينِ
( 20 ) 「ああ情けない,これが審判の日ですか。」と言う。
هَٰذَا يَوْمُ الْفَصْلِ الَّذِي كُنتُم بِهِ تُكَذِّبُونَ
( 21 ) 「これはあなたがたが信じなかった区分の日である。
احْشُرُوا الَّذِينَ ظَلَمُوا وَأَزْوَاجَهُمْ وَمَا كَانُوا يَعْبُدُونَ
( 22 ) 不義を行っていた者たち,その妻たち,またかれらがアッラーを差し置いて拝していたものたちを集めなさい。
مِن دُونِ اللَّهِ فَاهْدُوهُمْ إِلَىٰ صِرَاطِ الْجَحِيمِ
( 23 ) かれらを火獄への道に連れて行け。
وَقِفُوهُمْ ۖ إِنَّهُم مَّسْئُولُونَ
( 24 ) いや,かれらを待たせておけ。かれらに尋ねることがある。
مَا لَكُمْ لَا تَنَاصَرُونَ
( 25 ) あなたがたが助け合わないのはどうしたことか。」
بَلْ هُمُ الْيَوْمَ مُسْتَسْلِمُونَ
( 26 ) いや,今日ばかりは,かれらも(審判に)服する。
وَأَقْبَلَ بَعْضُهُمْ عَلَىٰ بَعْضٍ يَتَسَاءَلُونَ
( 27 ) かれらは互いに近づき尋ね合う。
قَالُوا إِنَّكُمْ كُنتُمْ تَأْتُونَنَا عَنِ الْيَمِينِ
( 28 ) 一方は言う。「本当にあなたがたは,右から来ました。」
قَالُوا بَل لَّمْ تَكُونُوا مُؤْمِنِينَ
( 29 ) すると他方は言う。「いや,あなたがたは,(もともと)信者ではありませんでした。
وَمَا كَانَ لَنَا عَلَيْكُم مِّن سُلْطَانٍ ۖ بَلْ كُنتُمْ قَوْمًا طَاغِينَ
( 30 ) また,わたしたちはあなたがたに押し付ける権威もありませんでした。それにあなたがたは反逆の徒でした。
فَحَقَّ عَلَيْنَا قَوْلُ رَبِّنَا ۖ إِنَّا لَذَائِقُونَ
( 31 ) それで主の御言葉が,わたしたちに実証された今,わたしたちは,(懲罰を)味わわねばならない。
فَأَغْوَيْنَاكُمْ إِنَّا كُنَّا غَاوِينَ
( 32 ) わたしたちはあなたがたを迷わせたが,わたしたち自身も迷っていたのです。」
فَإِنَّهُمْ يَوْمَئِذٍ فِي الْعَذَابِ مُشْتَرِكُونَ
( 33 ) こうしてその日,かれらは,(凡て)共に懲罰を受ける。
إِنَّا كَذَٰلِكَ نَفْعَلُ بِالْمُجْرِمِينَ
( 34 ) 本当にわれはこのように罪を犯した者を処分する。
إِنَّهُمْ كَانُوا إِذَا قِيلَ لَهُمْ لَا إِلَٰهَ إِلَّا اللَّهُ يَسْتَكْبِرُونَ
( 35 ) かれらは,「アッラーの外に神はありません。」と告げられると,いつも高慢になった。
وَيَقُولُونَ أَئِنَّا لَتَارِكُو آلِهَتِنَا لِشَاعِرٍ مَّجْنُونٍ
( 36 ) そして,「気狂い詩人のために,わたしたちの神々を捨ててなるものですか。」と言っていた。
بَلْ جَاءَ بِالْحَقِّ وَصَدَّقَ الْمُرْسَلِينَ
( 37 ) いや,かれは真理を(お?)して,(かれ以前の)預言者たち(の啓典)を確証する者である。
إِنَّكُمْ لَذَائِقُو الْعَذَابِ الْأَلِيمِ
( 38 ) あなたがたは,必ず痛ましい懲罰を味わうであろう。
وَمَا تُجْزَوْنَ إِلَّا مَا كُنتُمْ تَعْمَلُونَ
( 39 ) どうせ皆あなたがたが行ったことの報いである。
إِلَّا عِبَادَ اللَّهِ الْمُخْلَصِينَ
( 40 ) だがアッラーの忠誠なしもべたちは,別である。
أُولَٰئِكَ لَهُمْ رِزْقٌ مَّعْلُومٌ
( 41 ) それらの者には,定めの恩恵があり,
فَوَاكِهُ ۖ وَهُم مُّكْرَمُونَ
( 42 ) (喜ばしい)果実,そして栄誉が(授けられ),
فِي جَنَّاتِ النَّعِيمِ
( 43 ) 至福の楽園の中で,
عَلَىٰ سُرُرٍ مُّتَقَابِلِينَ
( 44 ) 寝床の上で向かい合う。
يُطَافُ عَلَيْهِم بِكَأْسٍ مِّن مَّعِينٍ
( 45 ) 清い泉からくんだ杯は,かれらにゆきわたり,
بَيْضَاءَ لَذَّةٍ لِّلشَّارِبِينَ
( 46 ) 真白(な美酒は),飲む者に心地よい甘さ。
لَا فِيهَا غَوْلٌ وَلَا هُمْ عَنْهَا يُنزَفُونَ
( 47 ) これは,頭痛を催さず,酔わせもしない。
وَعِندَهُمْ قَاصِرَاتُ الطَّرْفِ عِينٌ
( 48 ) またかれらの側には,伏し目がちな大きい目(の乙女)がいる。
كَأَنَّهُنَّ بَيْضٌ مَّكْنُونٌ
( 49 ) かの女らは,注意深く守られている卵のよう。
فَأَقْبَلَ بَعْضُهُمْ عَلَىٰ بَعْضٍ يَتَسَاءَلُونَ
( 50 ) やがてかれらは,互いに近づき尋ね合う。
قَالَ قَائِلٌ مِّنْهُمْ إِنِّي كَانَ لِي قَرِينٌ
( 51 ) かれらの一人が,口を切って言う。「わたしに一人の親しい友がいました。
يَقُولُ أَإِنَّكَ لَمِنَ الْمُصَدِّقِينَ
( 52 ) かれは言っていた。『あなたまで(復活の日を)信じているのですか。
أَإِذَا مِتْنَا وَكُنَّا تُرَابًا وَعِظَامًا أَإِنَّا لَمَدِينُونَ
( 53 ) わたしたちが死んで土と骨になってから,本当に審判されるのでしょうか。』」
قَالَ هَلْ أَنتُم مُّطَّلِعُونَ
( 54 ) また言った。「まあ皆さん見下ろしてみなさい。」
فَاطَّلَعَ فَرَآهُ فِي سَوَاءِ الْجَحِيمِ
( 55 ) そこでかれが見下ろすと,火獄の只中にかれの姿が見えた。
قَالَ تَاللَّهِ إِن كِدتَّ لَتُرْدِينِ
( 56 ) かれは言った。「アッラーにかけて,あなたはもう少しでわたしを破滅させるところでした。
وَلَوْلَا نِعْمَةُ رَبِّي لَكُنتُ مِنَ الْمُحْضَرِينَ
( 57 ) もし主の御恵みがなかったならば,わたしは必ず引き立てられる者の中にいたでしょう。」
أَفَمَا نَحْنُ بِمَيِّتِينَ
( 58 ) 「わたしたち(楽園の仲間)は,最初の死だけでまた,
إِلَّا مَوْتَتَنَا الْأُولَىٰ وَمَا نَحْنُ بِمُعَذَّبِينَ
( 59 ) 死ぬことはないのですか。また,わたしたちが,懲罰を受けることはないのでしょうか。」
إِنَّ هَٰذَا لَهُوَ الْفَوْزُ الْعَظِيمُ
( 60 ) 「そうであるならこれは,至上の幸福の成就です。
لِمِثْلِ هَٰذَا فَلْيَعْمَلِ الْعَامِلُونَ
( 61 ) このようなことのために,行動し努力すべきです。」
أَذَٰلِكَ خَيْرٌ نُّزُلًا أَمْ شَجَرَةُ الزَّقُّومِ
( 62 ) それは結構な歓待ではないか。それともザックームの木(をとるの)か。
إِنَّا جَعَلْنَاهَا فِتْنَةً لِّلظَّالِمِينَ
( 63 ) われはこの木を不義を行う者への試みとして,用意したのである。
إِنَّهَا شَجَرَةٌ تَخْرُجُ فِي أَصْلِ الْجَحِيمِ
( 64 ) それは地獄の底に生える木で,
طَلْعُهَا كَأَنَّهُ رُءُوسُ الشَّيَاطِينِ
( 65 ) その実は,悪魔の頭のようである。
فَإِنَّهُمْ لَآكِلُونَ مِنْهَا فَمَالِئُونَ مِنْهَا الْبُطُونَ
( 66 ) かれらはこれを食べて,腹はそれでいっばい。
ثُمَّ إِنَّ لَهُمْ عَلَيْهَا لَشَوْبًا مِّنْ حَمِيمٍ
( 67 ) それから上に沸騰する湯を注ぎ足され,
ثُمَّ إِنَّ مَرْجِعَهُمْ لَإِلَى الْجَحِيمِ
( 68 ) それから火獄に帰り着くのである。
إِنَّهُمْ أَلْفَوْا آبَاءَهُمْ ضَالِّينَ
( 69 ) かれらは祖先の迷っていたのを認めながらも,
فَهُمْ عَلَىٰ آثَارِهِمْ يُهْرَعُونَ
( 70 ) その足跡を急いで(歩いて)いたのである。
وَلَقَدْ ضَلَّ قَبْلَهُمْ أَكْثَرُ الْأَوَّلِينَ
( 71 ) 昔の多くの祖先たちも,確かに迷っていた。
وَلَقَدْ أَرْسَلْنَا فِيهِم مُّنذِرِينَ
( 72 ) だがわれはかれらに,必ず警告者を遺わした。
فَانظُرْ كَيْفَ كَانَ عَاقِبَةُ الْمُنذَرِينَ
( 73 ) 見るがいい。警告されても無視した者の最後が,どうであったかを。
إِلَّا عِبَادَ اللَّهِ الْمُخْلَصِينَ
( 74 ) (だが)アッラーの忠誠なしもべたちは,別である。
وَلَقَدْ نَادَانَا نُوحٌ فَلَنِعْمَ الْمُجِيبُونَ
( 75 ) 且つてヌーフはわれに哀願した。われは最も優れた応答者である。
وَنَجَّيْنَاهُ وَأَهْلَهُ مِنَ الْكَرْبِ الْعَظِيمِ
( 76 ) われは,かれとその家族を大難から救った。
وَجَعَلْنَا ذُرِّيَّتَهُ هُمُ الْبَاقِينَ
( 77 ) そしてかれの子孫を生き残らせた。
وَتَرَكْنَا عَلَيْهِ فِي الْآخِرِينَ
( 78 ) また後の幾世代に渡り,かれのために(祝福の言葉を)留めた。
سَلَامٌ عَلَىٰ نُوحٍ فِي الْعَالَمِينَ
( 79 ) 「万物(人間,天使,ジン)の中で特にヌーフの上に平安あれ。」と(われからの有難い御言葉を)。
إِنَّا كَذَٰلِكَ نَجْزِي الْمُحْسِنِينَ
( 80 ) われはこのように,正しい行いの者に報いる。
إِنَّهُ مِنْ عِبَادِنَا الْمُؤْمِنِينَ
( 81 ) 本当にかれは,信心深いわがしもべであった。
ثُمَّ أَغْرَقْنَا الْآخَرِينَ
( 82 ) それからわれはその外の者を,溺れさせた。
وَإِنَّ مِن شِيعَتِهِ لَإِبْرَاهِيمَ
( 83 ) またかれの後継者の中にはイブラーヒームがいた。
إِذْ جَاءَ رَبَّهُ بِقَلْبٍ سَلِيمٍ
( 84 ) かれが純正な心をもってかれの主の許にやって来た折に,
إِذْ قَالَ لِأَبِيهِ وَقَوْمِهِ مَاذَا تَعْبُدُونَ
( 85 ) 自分の父やその一族に向かって言った。「あなたがたの崇拝するものは何ですか。
أَئِفْكًا آلِهَةً دُونَ اللَّهِ تُرِيدُونَ
( 86 ) アッラーを差し置いて瞞しの神々を御望みなのですか。
فَمَا ظَنُّكُم بِرَبِّ الْعَالَمِينَ
( 87 ) いったい,万有の主に就いて,あなたがたはどのように考えておいでなのですか。」
فَنَظَرَ نَظْرَةً فِي النُّجُومِ
( 88 ) その時かれは諸星を一目見て,
فَقَالَ إِنِّي سَقِيمٌ
( 89 ) 言った。「わたしは,本当に(心が)痛む。」
فَتَوَلَّوْا عَنْهُ مُدْبِرِينَ
( 90 ) 人々はかれに背を向けて去った。
فَرَاغَ إِلَىٰ آلِهَتِهِمْ فَقَالَ أَلَا تَأْكُلُونَ
( 91 ) その時かれ(イブラーヒーム)は,かれらの神々に向かって言った。「あなたがたは食べないのですか。
مَا لَكُمْ لَا تَنطِقُونَ
( 92 ) あなたがたは,どうしてものを言わないのですか。」
فَرَاغَ عَلَيْهِمْ ضَرْبًا بِالْيَمِينِ
( 93 ) そこでかれは,かれら(偶像)を右手で打った。
فَأَقْبَلُوا إِلَيْهِ يَزِفُّونَ
( 94 ) その時人びとは,慌ててかれの処へやって来た。
قَالَ أَتَعْبُدُونَ مَا تَنْحِتُونَ
( 95 ) するとかれは言った。「あなたがたは,(自分で)刻んだものを崇拝するのですか。
وَاللَّهُ خَلَقَكُمْ وَمَا تَعْمَلُونَ
( 96 ) 本当にアッラーは,あなたがたを創り,またあなたがたが,造るものをも(創られる)。」
قَالُوا ابْنُوا لَهُ بُنْيَانًا فَأَلْقُوهُ فِي الْجَحِيمِ
( 97 ) 人びとは言った。「かれ(イブラーヒーム)のために炉を築き,燃え盛る火の中に投げ込みなさい。」
فَأَرَادُوا بِهِ كَيْدًا فَجَعَلْنَاهُمُ الْأَسْفَلِينَ
( 98 ) このようにかれに策謀を巡らせようとしたが,われはかれらを散々な目に会わせた。
وَقَالَ إِنِّي ذَاهِبٌ إِلَىٰ رَبِّي سَيَهْدِينِ
( 99 ) かれは言った。「わたしは主の御許に行こう。必ずわたしを導かれるであろう。
رَبِّ هَبْ لِي مِنَ الصَّالِحِينَ
( 100 ) 主よ,正しい人物になるような(息子)を,わたしに御授け下さい。」
فَبَشَّرْنَاهُ بِغُلَامٍ حَلِيمٍ
( 101 ) それでわれは,優しい思いやりのある男児を(授けるという)昔報を伝えた。
فَلَمَّا بَلَغَ مَعَهُ السَّعْيَ قَالَ يَا بُنَيَّ إِنِّي أَرَىٰ فِي الْمَنَامِ أَنِّي أَذْبَحُكَ فَانظُرْ مَاذَا تَرَىٰ ۚ قَالَ يَا أَبَتِ افْعَلْ مَا تُؤْمَرُ ۖ سَتَجِدُنِي إِن شَاءَ اللَّهُ مِنَ الصَّابِرِينَ
( 102 ) (この子が)かれと共に働く年頃になった時,かれは言った。「息子よ,わたしはあなたを犠牲に捧げる夢を見ました。さあ,あなたはどう考えるのですか。」かれは(答えて)言った。「父よ,あなたが命じられたようにして下さい。もしアッラーが御望みならば,わたしが耐え忍ぶことが御分りでしょう。」
فَلَمَّا أَسْلَمَا وَتَلَّهُ لِلْجَبِينِ
( 103 ) そこでかれら両人は(命令に)服して,かれ(子供)が額を(地に付け)うつ伏せになった時,
وَنَادَيْنَاهُ أَن يَا إِبْرَاهِيمُ
( 104 ) われは告げた。「イブラーヒームよ。
قَدْ صَدَّقْتَ الرُّؤْيَا ۚ إِنَّا كَذَٰلِكَ نَجْزِي الْمُحْسِنِينَ
( 105 ) あなたは確かにあの夢を実践した。本当にわれは,このように正しい行いをする者に報いる。
إِنَّ هَٰذَا لَهُوَ الْبَلَاءُ الْمُبِينُ
( 106 ) これは明らかに試みであった。」
وَفَدَيْنَاهُ بِذِبْحٍ عَظِيمٍ
( 107 ) われは大きな犠牲でかれを贖い,
وَتَرَكْنَا عَلَيْهِ فِي الْآخِرِينَ
( 108 ) 末永くかれのために(この祝福を)留めた。
سَلَامٌ عَلَىٰ إِبْرَاهِيمَ
( 109 ) 「イブラーヒームに平安あれ。」(と言って)。
كَذَٰلِكَ نَجْزِي الْمُحْسِنِينَ
( 110 ) このようにわれは,正しい行いをする者に報いる。
إِنَّهُ مِنْ عِبَادِنَا الْمُؤْمِنِينَ
( 111 ) 本当にかれは,わが信心深いしもべであった。
وَبَشَّرْنَاهُ بِإِسْحَاقَ نَبِيًّا مِّنَ الصَّالِحِينَ
( 112 ) またわれは正しい人物,預言者イスハークの(誕生の)吉報をかれに伝えた。
وَبَارَكْنَا عَلَيْهِ وَعَلَىٰ إِسْحَاقَ ۚ وَمِن ذُرِّيَّتِهِمَا مُحْسِنٌ وَظَالِمٌ لِّنَفْسِهِ مُبِينٌ
( 113 ) そしてわれは,かれとイスハークを祝福した。だがかれらの子孫の中には正しい行いをする者もあり,また明らかに自らを損なう者もあった。
وَلَقَدْ مَنَنَّا عَلَىٰ مُوسَىٰ وَهَارُونَ
( 114 ) われは,ムーサーとハールーンに恩恵を施した。
وَنَجَّيْنَاهُمَا وَقَوْمَهُمَا مِنَ الْكَرْبِ الْعَظِيمِ
( 115 ) またかれら両人,そしてその民を大きな災難から救い出し,
وَنَصَرْنَاهُمْ فَكَانُوا هُمُ الْغَالِبِينَ
( 116 ) われが助けたためにかれらは(その困難を)克服することが出来た。
وَآتَيْنَاهُمَا الْكِتَابَ الْمُسْتَبِينَ
( 117 ) なおわれは,両人に(事理を)明瞭にさせる啓典を授け,
وَهَدَيْنَاهُمَا الصِّرَاطَ الْمُسْتَقِيمَ
( 118 ) かれらを正しい道に導いた。
وَتَرَكْنَا عَلَيْهِمَا فِي الْآخِرِينَ
( 119 ) われは後の幾世代に渡り,かれらのために(この祝福を)留めた。
سَلَامٌ عَلَىٰ مُوسَىٰ وَهَارُونَ
( 120 ) 「ムーサーとハールーンに平安あれ。」(と言って)。
إِنَّا كَذَٰلِكَ نَجْزِي الْمُحْسِنِينَ
( 121 ) このようにわれは,正しい行いをする者に報いる。
إِنَّهُمَا مِنْ عِبَادِنَا الْمُؤْمِنِينَ
( 122 ) 本当にかれら両人は信心深いわがしもべであった。
وَإِنَّ إِلْيَاسَ لَمِنَ الْمُرْسَلِينَ
( 123 ) 本当にイルヤースも,使徒であった。
إِذْ قَالَ لِقَوْمِهِ أَلَا تَتَّقُونَ
( 124 ) かれがその民にこう言った時を思え。「あなたがたは主を畏れないのですか。
أَتَدْعُونَ بَعْلًا وَتَذَرُونَ أَحْسَنَ الْخَالِقِينَ
( 125 ) あなたがたはバアルに祈って,最高の創造主(アッラー)を見捨てるのですか。
اللَّهَ رَبَّكُمْ وَرَبَّ آبَائِكُمُ الْأَوَّلِينَ
( 126 ) アッラーこそあなたがたの主,昔の父祖たちの主ではないのですか。」
فَكَذَّبُوهُ فَإِنَّهُمْ لَمُحْضَرُونَ
( 127 ) だがかれらはかれ(イルヤース)を嘘付きであるとした。だから必ず(処罰に)臨むであろう。
إِلَّا عِبَادَ اللَّهِ الْمُخْلَصِينَ
( 128 ) (かれらの中)敬虔な,アッラーのしもべは別である。
وَتَرَكْنَا عَلَيْهِ فِي الْآخِرِينَ
( 129 ) われは後の幾世代に渡り,かれのために(この祝福を)留めた。
سَلَامٌ عَلَىٰ إِلْ يَاسِينَ
( 130 ) 「イルヤースに平安あれ。」(と言って)。
إِنَّا كَذَٰلِكَ نَجْزِي الْمُحْسِنِينَ
( 131 ) このようにわれは,正しい行いをする者に報いる。
إِنَّهُ مِنْ عِبَادِنَا الْمُؤْمِنِينَ
( 132 ) 本当にかれは信心深いわがしもべであった。
وَإِنَّ لُوطًا لَّمِنَ الْمُرْسَلِينَ
( 133 ) ルートも(われが)遣わした者であった。
إِذْ نَجَّيْنَاهُ وَأَهْلَهُ أَجْمَعِينَ
( 134 ) 見よ,われはかれとその家族の凡てを救った。
إِلَّا عَجُوزًا فِي الْغَابِرِينَ
( 135 ) 後に残る者の中にいた,老婆の外は。
ثُمَّ دَمَّرْنَا الْآخَرِينَ
( 136 ) そうしてわれは,外の者を滅ぼしてしまった。
وَإِنَّكُمْ لَتَمُرُّونَ عَلَيْهِم مُّصْبِحِينَ
( 137 ) あなたがたはかれらの(遺跡の)傍らを,昼
وَبِاللَّيْلِ ۗ أَفَلَا تَعْقِلُونَ
( 138 ) 夜通っている。あなたがたはそれでも悟らないのか。
وَإِنَّ يُونُسَ لَمِنَ الْمُرْسَلِينَ
( 139 ) 本当にユーヌスも,使徒であった。
إِذْ أَبَقَ إِلَى الْفُلْكِ الْمَشْحُونِ
( 140 ) かれが(荷を)満載した舟に(乗って)逃れた時,
فَسَاهَمَ فَكَانَ مِنَ الْمُدْحَضِينَ
( 141 ) かれは籤を引いて,負けてしまった。
فَالْتَقَمَهُ الْحُوتُ وَهُوَ مُلِيمٌ
( 142 ) (そして海に投げ込まれると)大魚に丸呑みにされ,かれは自責の念にかられた。
فَلَوْلَا أَنَّهُ كَانَ مِنَ الْمُسَبِّحِينَ
( 143 ) かれが(梅悟して主を)讃えなかったならば,
لَلَبِثَ فِي بَطْنِهِ إِلَىٰ يَوْمِ يُبْعَثُونَ
( 144 ) かれら(人びと)が(復活して)起こされる日まで,必ずかれは魚の腹の中に留まったであろう
فَنَبَذْنَاهُ بِالْعَرَاءِ وَهُوَ سَقِيمٌ
( 145 ) だがわれは,荒れ果てた(岸辺)にかれを打ち上げた。かれは病んでいた。
وَأَنبَتْنَا عَلَيْهِ شَجَرَةً مِّن يَقْطِينٍ
( 146 ) われはかれの上に,1本のヒサゴ木を繁らせ(影を作った)。
وَأَرْسَلْنَاهُ إِلَىٰ مِائَةِ أَلْفٍ أَوْ يَزِيدُونَ
( 147 ) そして10万人,またはそれ以上(の民)にかれを遣わした。
فَآمَنُوا فَمَتَّعْنَاهُمْ إِلَىٰ حِينٍ
( 148 ) かれらが信仰に入ったので,われはしばし現世の享楽を許した。
فَاسْتَفْتِهِمْ أَلِرَبِّكَ الْبَنَاتُ وَلَهُمُ الْبَنُونَ
( 149 ) さてかれらに問え。「あなたがたの主は娘を持ち,かれら(マッカの多神教徒)は息子を持つというのか。
أَمْ خَلَقْنَا الْمَلَائِكَةَ إِنَاثًا وَهُمْ شَاهِدُونَ
( 150 ) それともかれらは,われが天使たちを女に創ったと証言するのか。」
أَلَا إِنَّهُم مِّنْ إِفْكِهِمْ لَيَقُولُونَ
( 151 ) 見よ,かれらの言うことは作りごとである。
وَلَدَ اللَّهُ وَإِنَّهُمْ لَكَاذِبُونَ
( 152 ) アッラーが子を生まれるとは,かれらも嘘付きの徒である。
أَصْطَفَى الْبَنَاتِ عَلَى الْبَنِينَ
( 153 ) かれは息子よりも,娘を選ばれるとするのか。
مَا لَكُمْ كَيْفَ تَحْكُمُونَ
( 154 ) どうしたのか。あなたがたはどう判断するのか。
أَفَلَا تَذَكَّرُونَ
( 155 ) あなたがたはなお訓戒を受け入れないのか。
أَمْ لَكُمْ سُلْطَانٌ مُّبِينٌ
( 156 ) それともあなたがたに明瞭な権能があるのか。
فَأْتُوا بِكِتَابِكُمْ إِن كُنتُمْ صَادِقِينَ
( 157 ) あなたがたのいうことが真実ならば,あなたがたの啓典を出してみなさい。
وَجَعَلُوا بَيْنَهُ وَبَيْنَ الْجِنَّةِ نَسَبًا ۚ وَلَقَدْ عَلِمَتِ الْجِنَّةُ إِنَّهُمْ لَمُحْضَرُونَ
( 158 ) かれらは,かれとジンは親類であるといっている。だがジンは自分たちが(懲罰に)臨むことをよく知っている。
سُبْحَانَ اللَّهِ عَمَّا يَصِفُونَ
( 159 ) アッラーに讃えあれ。(かれは)かれらが配するものから(超絶なされる)。
إِلَّا عِبَادَ اللَّهِ الْمُخْلَصِينَ
( 160 ) だが謙虚に奉仕するアッラーのしもべたちは,別である。
فَإِنَّكُمْ وَمَا تَعْبُدُونَ
( 161 ) だがあなたがたにしても,あなたがたが崇拝するものでも,
مَا أَنتُمْ عَلَيْهِ بِفَاتِنِينَ
( 162 ) かれに反抗して(信者たちを)誘惑することが出来ようか。
إِلَّا مَنْ هُوَ صَالِ الْجَحِيمِ
( 163 ) 燃え盛る火で,焼かれる者は別にして。
وَمَا مِنَّا إِلَّا لَهُ مَقَامٌ مَّعْلُومٌ
( 164 ) (整列している者たちが言う。)「わたしたちは各々定めの部署を持っています。
وَإِنَّا لَنَحْنُ الصَّافُّونَ
( 165 ) わたしたちは(奉仕のため)整列して,
وَإِنَّا لَنَحْنُ الْمُسَبِّحُونَ
( 166 ) 慎んで(アッラーを)讃え唱念します。」
وَإِن كَانُوا لَيَقُولُونَ
( 167 ) また,かれらはいつも言っていた。
لَوْ أَنَّ عِندَنَا ذِكْرًا مِّنَ الْأَوَّلِينَ
( 168 ) 「もしわたしたちが,昔から訓戒を持っていたなら,
لَكُنَّا عِبَادَ اللَّهِ الْمُخْلَصِينَ
( 169 ) わたしたちも,確かにアッラーの謙虚なしもべであったでしょう。」
فَكَفَرُوا بِهِ ۖ فَسَوْفَ يَعْلَمُونَ
( 170 ) ところが(実際にクルアーンが与えられれば)それを拒否する。だが間もなくかれらは知るであろう。
وَلَقَدْ سَبَقَتْ كَلِمَتُنَا لِعِبَادِنَا الْمُرْسَلِينَ
( 171 ) 確かにわれの言葉は,わが遣わしたしもべたちに既に下されている。
إِنَّهُمْ لَهُمُ الْمَنصُورُونَ
( 172 ) かれらは,必ず助けられよう。
وَإِنَّ جُندَنَا لَهُمُ الْغَالِبُونَ
( 173 ) 本当にわれの軍勢は,必ず勝利を得るのである。
فَتَوَلَّ عَنْهُمْ حَتَّىٰ حِينٍ
( 174 ) あなた(ムハンマド)はかれらから暫くの間遠ざかって,
وَأَبْصِرْهُمْ فَسَوْفَ يُبْصِرُونَ
( 175 ) かれらを監視しなさい。やがて,かれらは目覚めるであろう。
أَفَبِعَذَابِنَا يَسْتَعْجِلُونَ
( 176 ) だがかれらは,わが懲罰を急ぎ求めている。
فَإِذَا نَزَلَ بِسَاحَتِهِمْ فَسَاءَ صَبَاحُ الْمُنذَرِينَ
( 177 ) だがそれが実際にかれらに下ると,それまで警告を受けているだけに寝覚めの悪い朝となろう。
وَتَوَلَّ عَنْهُمْ حَتَّىٰ حِينٍ
( 178 ) それであなたはかれらから暫くの間遠ざかって,
وَأَبْصِرْ فَسَوْفَ يُبْصِرُونَ
( 179 ) かれらを監視しなさい。やがて,かれらも目覚めるであろう。
سُبْحَانَ رَبِّكَ رَبِّ الْعِزَّةِ عَمَّا يَصِفُونَ
( 180 ) あなたの主,威徳の主,かれらが配するものから(超絶なされる)主に讃えあれ。
وَسَلَامٌ عَلَى الْمُرْسَلِينَ
( 181 ) 使徒たちに平安あれ。
وَالْحَمْدُ لِلَّهِ رَبِّ الْعَالَمِينَ
( 182 ) 万有の主,アッラーに讃えあれ。